大国(おおくに)示(し)らす





太古の昔

国譲りし誓約(うけい)知らぬ守護神たちよ

すでに国は還されたり

なにゆえ我を張り握りしめ手放さぬ

それが人世に写りて

三界上がれぬ歪みなる



大国は

天地の高天原なり

天地の大海原なり

天地の日月なり



その手に掴みたるものは

何一つとして還さねばならぬ

掴んでいるから恵み巡らぬ

放さば自ずと巡るなり



我を張り手放せねば渦に呑まれん

握りしめたる舵を手放し

天地の神に身をゆだねん

それが鳴門の仕組みなり



借りたものは還さねばならぬ

守護神たちよ

最後の時である