大蛇




手足使って汗水たらして働くために人の形ある

働くは他を恵みで満たす巡り

他を楽にする己の苦

他楽苦(はたらく)恵みが巡り巡って己に還る


手足使わねば生み出せず

頭使わねば生み出せず

生み出せなければ恵みなく

恵み生まれねば巡り無し


頭ばかりで手足を使わず怠惰に貪る大蛇(おろち)なる

慾の分だけ頭を作り貪るばかりの八岐大蛇(やまたのおろち)

恵みを生み出す手足なく

恵みの巡りに頭をつっこみ

恵みの巡りを横取りする


酒樽にまで頭をつっこみ

酔いどれ大蛇は有頂天

気付けば身体を裂かれある

大蛇の中に光あり



恵み干あがりし大蛇の世

その苦の中に光あり



大蛇の身体裂く十拳剣(とつかのつるぎ)

柄が十の拳の剣

働く剣

大地を耕す鋤鍬(すきくわ)の剣

他楽苦(はたらく)剣が光を見出す



人を大蛇と成す心

慾が積もりて曇った心に

沸き立つ叢雲祓う剣

十拳剣で掘り起こせ

大蛇の腹から掘り起こせ


己の中の大蛇の心

大蛇が飲み込み隠した剣

己の大蛇の腹の中

己の大蛇に目を背けては

草薙剣(くさなぎのつるぎ)は見つからぬ

十拳剣で他楽苦(はたらく)心が

己の大蛇を退治する



大蛇となりて他人の恵みを

奪う巡りにあるならば

手足を生やして他楽苦(はたらく)ことで

恵み生み出す人となれ

十拳剣を手に入れてから

草薙剣を掘り起こせ



大蛇は己の身(巳)に宿る

情けの川に身(巳)を浮かべ

四方八方水を引き

情けの川に流され溺れ

情けの水の奪い合い

情け高じて氾濫し

他楽苦(はたらく)恵み押し流し

川に引き込み飲み込む大蛇

呑み込む頭ばかりなり



手足を生やし人となれ

他楽苦(はたらく)ことで神となれ

神となるには大蛇を退治し

草薙剣を手に入れよ



十拳剣で八重垣作り

恵み守りて他楽苦(はたらく)ことが

恵みの巡り 弥栄垣(やえがき)となる



八雲立つ 出雲八重垣 妻籠みに 八重垣作る その八重垣を・・・・

・・・・永遠に栄える 弥栄垣となす