新たな世界を産み出す




かつて10年ほど前に政権交代が行われたとき

本当に『いい政治家』を送り出そうと必死になって闘った

この国を『いい国』にしようとするとき

その反対側の力も同時に働き出す

その『反対側』の力を阻止するためにずっと闘っていた


私はもともとが『探偵』である

だからその力を存分に発揮した


日本には「インテリジェンス」と呼べるものがない

「内閣調査室」という非常に小さな小さな組織と

「公安」という防衛装置があるが

それすらきっちりと『機能』せず

この国は『スパイ天国』となっている

各国のインテリジェンスによって日本の小さなインテリジェンスはとっくに無効化されており

コントロールし放題の状況

それゆえどんなに『いい政治家』が出てきても

それが育ち根付くことはない



この国の状況が悪いのは

政治家が悪いのではない

かといってスパイたちが悪いのか?

彼らは自国を守るために『悪』を承知で行っているだけである

愛するものを守るために・・・




『大儀』があるとき

『悪』は『正義』へと昇華される

愛するものを守るためという至高の大義の前には

悪という闇は美麗な光で照らされて

闇ではなくなり

光ある存在へと変容する



人は様々な生命をいただいてその生命を繋いでいる

そのと何ら変わらない同じこと

対象となるものが『人』か『それ以外』かの違い




今の人々は

「生命をいただいて自らの生命を繋いでいる」ということをしっかりとわきまえてはいない

加工された食べ物は「ただの食品」としてしか見ていない

そこにたしかに存在したはずの『生命』を鑑みることはない


人が存在するうえで

「生命を食らう」という『悪』の部分を全く見ようとしていない

人は生きている限り必ず「善成し悪成し」生きている

その自らの「悪」を見ようともせず

自らには「無いもの」としている


そんな人の心の延長線上に『大儀』が生まれ『正義』が生まれ

本来闇であるはずのものが光を放ち

そこに身を投じる自分を『光』であると錯覚させる



『大儀』も『正義』も本来の『義』ではない

大きく見せねば『義』に見えず

正しいと見せねば『義』に見えない

『義』の偽りの姿

それが『大儀』であり『正義』である



『義』とは

我の上に羊を押し頂くが如きもの

それは

『生命』を繋ぐために『生命』を頂くことに『感謝』をする心

『生命』の巡りに感謝し恵みに感謝し

『悪』を成す『赦し』を乞う心

『感謝』と『赦し』が同時に存在し調和した姿

それが『義』である

善悪

陰陽

光と闇が調和した形

それが『義』である




なぜか

キリスト教の国では『赦し』ばかりが広まった

日本の神道では『感謝』ばかりが広まった

どちらも片方しかない中途半端な状態

だから世界は調和しない

『感謝』の縦糸

『赦し』の横糸

それが調和して十字となるはずが

縦糸だけの日本

横糸だけの世界

そんな不調和な世界が出来上がってしまった




多くの『生命』の営みがあることに『感謝』する

たとえそれが自分の直接の『恵み』とならずとも

巡り巡って必ず『恵み』となっていることに『感謝』する

その『感謝』があるから

自分の存在そのものに自分で『感謝』が出来る

『天上天下唯我独尊』

自分の『生命』は世界の『恵み』であることを知る

自分を尊べて初めて世界の生命を尊べる

自分が『恵み』であることを知ることで

世界が『恵み』に満ちていることを知る

『生命』は全て『恵み』である



その『生命』を頂く『悪』があることを『赦す』

『恵み』あるから自分も『恵み』となることを知る

それが『赦し』

何らかの『生命』が誰かの『恵み』となること

そこに『赦し』が存在する

自らの『生命』が誰かの『恵み』となることを知っていたから

イエスは神に『赦し』を告げた

仏陀は前世で自らの『生命』を飢えた『虎』に捧げた

そこには神の『赦し』が確かに存在している



しかし

『赦し』だけで『感謝』が無ければ

無闇に生命を『貪る』こととなる

生命を『恵み』であると知りえないから

自らも『恵み』であると知りえないから

貪る


『感謝』だけで『赦し』が無ければ

生命の『巡り』を知らず

生命の『巡り』のための『悪』を許せない

自らの内にあるその『悪』を認められない

それゆえ『偽善』に囚われ

巡りの『悪』を『不浄』と見なす

生命の巡りの内にある『悪』は『神』が『赦し』て存在する

だから誰もがその中にあり

誰もが『悪』を有する

しかし『無い』ことにして『見ない』

だから心は掃除されず

清浄さから遠のき『不浄』となる

しかしそれでも『無い』ことにして『見ない』

だから誰かの『悪』を『赦す』ことがない

『悪』を成しながら『悪』を許さない

『感謝』だけの我が国なり




世界を変えるということは

救世主が現れて人々を救うわけではない

素晴らしい政治家が現れて国を素晴らしくしていくわけでもない

出てきたところで

それらの教えはすぐに掻き消えて行くだろう


縦糸と横糸を

しっかりと『真ん中』で組まねば調和は生まれない

調和無くして世界は変わらない

縦糸と横糸がもつれにもつれた世界

一度解いて組みなおし

一人一人が組みなおされなければ

世界は変わらない

一人一人の世界を変えることが

世界を変えること


世界を産み出すとは

一人一人の縦糸と横糸を

真ん中が組みなおして『調和』の形に結び直すこと

もつれた糸を一度解いて

縦横真ん中で結び直し



もつれは人それぞれ

ゆえに教えで解けず

誰かが誰かに手を添えて

解いて結び直してゆかねばならぬ

小さな波紋が波紋を起こし

やがて大きな波紋となるように

響きが伝わり響き合い調和していくように

人から人へ伝わるように

手から手へ渡されるように


だから

縦糸と横糸をしっかりと組みなおせ

きちんと真ん中で組みなおせ

もつれた者が解けるわけはなく

組みなおせるわけはなし


自分を解脱(ほど)いて仏となり

きちんと「真ん中」を見つけ⦿(かみ)となり

聖なる十字とすること

感謝と赦し

きちんと真ん中で調和させ十(かみ)と成す

善と悪

光と闇

陰陽和合して☯(かみ)と成す


仏の道は解脱(ほど)く道

真ん中の⦿(かみ)を見つける道

キリストの道は組みなおす道

縦糸と横糸を真ん中で組みなおす道

八百万の神の道は縦糸の理(ことわり)の道

横糸の理(ことわり)の道

『恵み』の巡りの道



この世のすべては『恵み』である

何一つ欠けることなくある『恵み』である

まずは自分から


神と成れ