渦(うず)



大きな【渦】が世界を取り巻いている。

大きすぎるのでそれが【渦】であることに気付かないほどに大きな【渦】

所々で起きる小さな【渦】に気をとられて、大きな【渦】に目が向かない。

しかし、確実に大きな【渦】は徐々に速度を増しながら回っている。




渦の中心には必ず【目】があるのが理(ことわり)

その【目】があるところが『渦の意』のあるところ

『意』が【目】となり【渦】を巻き起こし、そこに【果】をもたらす


【果】は『意』を受けて立ち上がる【渦】

それが【器】となる


下降する【渦】と上昇する【渦】が交わるところ

そこに【響】が生まれ『生命』となる




アメノウズメの【目】に向って

アマテラスの【意】が【渦】となり

その【渦】を受けて立ち上がるツクヨミの【渦】

【渦】の交わるところにスサノオの【響】が生まれ

新たな『生命』が誕生する



・・・



人には人それぞれの『渦の目』がある

それは自我と魂の『中心』

下降する【渦】と上昇する【渦】の『中心軸』

生きている中でその『軸』にズレが生じてくる

それは【渦】のズレを生み出す

だから心が不安定に揺れ動く



アメノウズメは『天鈿女』とも書く

『鈿』とは「黄金のかんざし」という意味がある

上下の渦の中心をしっかりと留める『かんざし』であるもの

その「かんざし」が捻じれ歪んでブレている



この「かんざし」を『太しき宮柱』に変える

捻じれ、歪みを整えて二度と歪まないように『黄金の柱』へと変える

上下の【渦】がズレないように



【渦】が重なるところ【響】が生まれる

この【響】が生命の【ゆらぎ】であり【神】が現れるところである

上下の渦の目をしっかりと合わせ重ねる

それが【岩戸開き】となる

我が身に【神】が現れる【岩戸】となる


【岩戸】は常に『ここ』にある

そのほかには何処にもない

ただ『ここ』にいつでもある

それだけだ



・・・



世界を包み込む大きな【渦】

それはやがて多くのものを呑み込んでいくだろう

だがその【渦】の下には

上昇する【渦】もある

それが【理(ことわり)】

その渦が交わるところ新しき『生命』が生まれる

『新しい世界』という生命の息吹きが

『黄金の宮柱』に支えられながら生まれる





『太しき宮柱』を立てよ

『新しい世界』のために

その柱たちが

新しい【渦の山】を立ち上げる力となる

そして新しい世界に生命を吹き込む

自らの【岩戸】を開け【神】となれ

【岩戸】はいつでも『ここ』にあるのだから